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Morimori eat vegetables

宇内一童のブログ

物事の本質的な価値とは

かつて民主党蓮舫はこう言った。


「一番じゃなきゃダメなんですか?」


答えはイエスだ。

世の中には一番にこだわらなければならないことが往々にしてある。





これは1年前に描いた僕の絵だ。
名前のとおり、ヒアルロン酸をモチーフにしたキャラクターだ。思いつきで、1分以内で描き上げた。


化粧品コーナーを訪れると、必ずといっていいほど目にするこのヒアルロン酸

この人気の成分を擬人化したら、ひょっとするとキャラクターデザインで一儲けできるのではないか、と僕は考えた。



「たった1分の作業で僕は巨万の富を……?」



期待は膨らんでいくばかりだ。
そして少し心を落ち着かせ、プランを練り始める。

どこのメーカーに営業活動しよう、清書はどのドローイングソフトで描こう、ヒアルロンさんの性格はどうしよう、やんちゃなタイプかな、それとも頼り甲斐がある感じにしようかな、色はどうする、明るい黄色を取り入れて、頭から流れる液状の髪型は光沢のある水色にしよう……。


期待感とは落ち着けば落ち着くほど不安の付け入る隙を与えるもので、期待の波がおさまってきた頃に今度は不安の波が押し寄せてきた。



“お前、本当にそれでイケると思ってんのか?”

“おつむの弱いやつだな。世の中そんなに甘くねえんだよ”

“傷つくためにお前はメーカーに営業活動するのか?”

“落ち着いて考えてみろよ。そのキャラ、気持ち悪くねえか?”



「ひどい…!! 鬼…!!! どっか行ってくれよもうひとりの俺!?」



しかし、もうひとりの俺の罵倒は止まらず、最後に出てきた言葉がこれだった。





“既出なんじゃねえの。調べたのか?”





本当に既出だった。
ヒアルロンさんは既に存在していたのだった。



世の中には一番にこだわらなければならないことが往々にしてある、と前述した。
このヒアルロンさん事件はその好例だ。


発案した時点で、既に先駆者(一番)がいたというこの状況。

たとえ僕が「私のヒアルロンさんは先に世にでていたヒアルロンさんの存在を全く知らない状態で描き上げた、私の完全オリジナルキャラなのですよ」とメーカーに営業活動をしたところで、相手の反応は苦笑以外に何もないことだろう。この場合、諦めるしかない。



しかし、待って欲しい、と僕は思う。
このわたくしめにすこしだけ時間をください、と僕は懇願する。


先がいたことはもちろん認める。
それは変えようのない事実だ。そのことについてあーだこーだと言うつもりはない。僕が主張したいのはただこの一点のみ。



“どっちのヒアルロンさんが、よりヒアルロンさんか――?”



大事なことだと思う。
比較しないと物事の本質の見えてこないケースはよくあることだ。


どっちのヒアルロンさんが、よりヒアルロンさんか。自分の胸に手を当てて考えてみて欲しい。結果は言うまでもなく、こうなる。





僕が言いたいのは、世間的な物事の価値はスピードで決まるが、本質的な価値は必ずしもスピードで決まるものではないということだ。


僕のヒアルロンさんが完全にそれを証明してくれている。

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